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東京地方裁判所 昭和43年(借チ)2074号・昭43年(借チ)2072号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕……当裁判所は次のとおり建物及び借地権の対価を定める。

まず、本件土地の価格について双方の主張にかなりの差があり、申立人は3.3平方米当り一五万円とし、本件借地中には通路部分があるから、この部分は右の半額とすべきものとする。これに対し相手方は、一〇万円(通路を除く部分)と主張する。鑑定委員会の意見は通路部分を含めた平均値3.3平方米当り一二万円とするが、本件土地が緑地地域に属することその他の環境を考え、右委員会の意見を相当とし、これを採用すべきものと考える。

さらに、本件借地権の一般取引価格についても、右委員会の意見を参酌し、右更地価格に三%の建付減価を行なつたものの七〇%を相当と考え、3.3平方米当り八万一四八〇円とする。これによれば、本件借地全体で約三六三万五〇〇〇円となる。

ただ、右は、賃貸借の残存期間及び地上建物の状況など、本件における個別的な事情を反映してない価額であり、また賃貸人が買い受ける場合の減額(従前の借地に関する事情からして借地権の交換価値の実現にあたり公平の見地から地主に配分を相当とする分の減額)を考慮していないものであるから、次にこの点を検討する。

本件の借地権の残存期間は約一三年半であつて地上建物はかなり古い。その朽廃に至るべき時期を的確に予測することは困難であり、期間満了前に建物が朽廃するに至るかどうかは予測できないが、賃貸借が更新された場合でも、更新後それ程遠くない時期に建物の朽廃による借地権の消滅すべきことも考えられる。次に申立人が本件建物を買受けた代金は一六万円であるところそのうちいくらが借地権設定の対価と見るべきかについて的確に知ることのできる資料はないが、その後の社会経済事情の変化に伴い前述のような高額の借地権価格が形成され、他面賃料の増額はこれに伴わないで推移して来たものであるから、申立人が借地権の交換価値を実現するに当つては、その相当部分を賃貸人に還元して然るべきである。

以上の関係からすると、これらの点を的確に数額に反映させ得る算式はないけれども、前記一般取引価格から一割五分を控除した額を相手方の譲受ける場合の借地権の対価とする鑑定委員会の意見は相当と考えられる。よつて、これを採用し、これに基づき算定した三〇九万円を本件における借地権の対価と定める。

次に、建物の価格については、右委員会の意見を酌んで二四万円を定める。

(安岡満彦)

(一) 土地

東京都世田谷区玉川瀬田町

宅地 552.06平方米のうち

147.66平方米(44.66坪)(ただし、通路部分23.76平方米を含む)

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